傷んだ合皮・合成革・合成皮革製品・フェイクレザー製品のリメイク方法
合成皮革製品とは
合成皮革製品は、クッションのような役割を果たす中間層がある湿式構造と中間層のない乾式構造のものがあります。現在はほとんど乾式構造だそうです。特徴は、カビが生えにくく手入れ保管が簡単・厚み、風合い、色艶が安定した商品・耐久、通気、透湿、抗菌、ストレッチなどの機能性対応が可能・色落ちが少ない。 詳しくはこちら⇒合皮の構造
そんな合成皮革製品、いいことが多いようですが劣化に問題があります。使用していても、新品未使用品でも年数が経っていれば劣化してしまいます。(オークションなどで合成皮革製品の購入時には注意しましょう)3~4年経つと 経年劣化してしまいます。原因は空気中の水分と反応して加水分解が進むことです。湿気により表面がヌルヌルし、基布から表皮層が剥がれ落ちます。そのため、厳重にしまっていても劣化してしまいます。詳しくはこちら⇒バックに寿命
傷んだ合成皮革製品
このジャケットも実際に使用した回数は3回、ハンガーでクローゼット掛けて保管、買ってから3年と半年です。
上の写真で分かるように、チャックの両側にある合成皮革部分が劣化していました。まだまだ着るつもりだったのでショックが大きです。また3回使用しただけで、合成皮革部分以外は綺麗ですので、合成皮革部分をリメイクしてみようと思います。
*裁縫の経験はボタン付け程度。学生の時にエプロンを作るキットを使いエプロンを作る授業を受けた程度のレベルです。
傷んだ合成革製品のリメイク
①傷んだ合成皮革を剥がす
とりあえず、傷んだ合皮の表皮層を基布から剥がそうと思います。傷んで基布から浮いているので簡単に剥がせると思いとりあえずブラシで擦ってみました。痛みのひどい部分は簡単に剥がれましたが、そうでない所ちょっと手間が掛かりました。セロテープを使うと表皮層が簡単に剥がれることに中盤で気づきました。しかし接着剤層が残るので、それはブラシで擦る必要があります。セロテープとブラシを駆使し綺麗にしたのがこちら ↓↓↓
②剥がした部分に貼る布を選ぶ
剥がした部分にどんな布を貼るのか、色々悩みました。(始めにも書きましたが、裁縫レベルの低い素人の考えです)
- 合成皮革とは全く別の布を貼る・・・布を売る店に行き色々と見てきましたが、センスに自信が無いので別の布を貼ることは諦めました。
- 合成皮革(補修用)を貼る・・・補修用の合成皮革があり簡単に貼り付け可能
- 合成皮革に似た布を貼る・・・探しに行った店には、合成皮革に似た感じの布わ見つからず。やはり布は、織り目があるのでなかなか…
- 剥がした部分をもう少し綺麗にしてユーズドっぽくそのまま・・・もう少し綺麗にしてみましたがユーズドというよりは、ボロ着に見えてしまうのでこれはちょっと(汗)
- 布絵の具を使う・・・普通の絵の具と同じように塗るだけ簡単そうです。
③どの方法でリメイクするか検討
とりあえず、元の状態に近い形にしようと思い、合成皮革(補修用)を貼ることを考えましたが、剥がした合成皮革の部分には両サイドに縫い目がついていて、もし合成皮革(補修用)を貼ると縫い目がなくなります。また、剥がした部分の両サイドは折り込んであり、上から合成皮革を貼ると両サイドが浮いているようになってしまい、折り込むほどの隙間はなくかろうじて折り込んでも厚みがでたりすぐに剥がれてしまうのではないか・・・。
合成皮革に似た布を貼ることを考え、色々な店を見ましたらなんと100円ショップにそれらしい素材がありました。普通の布ではないのか?折り目も目立ちませんし、生地の裏はシールになっていて貼り付け可能、生地は薄く折り込んでも厚くならなそうです。しかし、縫い目は隠れてしまうので縫い目がないことによる違和感が無ければ問題なさそうです。
布絵の具を探してみましたら、スプレータイプで何種類かあり布用絵の具も見つかりましたが、価格が少し高め、調べているとアクリル絵の具でも布に描け乾くと耐水になるらしいです。これなら100円ショップにもあると思い早速購入・・・というより、合成皮革(補修用)と合成皮革に似た布と布絵の具どれも買ってしまったので、部分的に全部試してみようと思います。
【買った物】
- ナイロンブラシ¥110
- 合皮の補修テープ×2¥898 (基布/表ポリウレタン100%裏ポリエステル100% 粘着剤/アクリル系粘着剤)(サイズ/幅25mm・長さ1m・厚さは感覚ですがコピー用紙4枚くらい)こげ茶色
- 貼れる布テープ¥110 (ベルベット調モノトーン)(幅45mm・長さ2m・厚さは感覚ですがコピー用紙1枚くらい)
- アクリル絵の具¥110
- 筆¥110
- 養生テープ¥110
(注)コピー用紙は¥100ショップにも売っているごく一般的なものです。
④剥がした部分をリメイク
(1)合成皮革(補修用)を貼る
合成皮革補修用テープをラインと同じ幅にカット、ラインの両サイドを織り込むのは難しいので織り込むのはやめました。
同じ幅にカットした合成皮革補修用テープを貼りました・・・・。やはりライン両サイドの縫い目がないので、貼りました感がいなめない。
(2)合成皮革に似た布を貼る
気を取り直して、貼れる布テープを合成皮革補修用テープと同様にカットし貼ってみました。
そもそも、色の選択ミスが目立ちますが、それは置いといてもらいまして。合成皮革よりは厚みがないので違和感は少~しなくなりますが、やはり縫い目が・・・。うまくいきません(汗)
(3)布絵(アクリル絵の具)の具を使う
アクリル絵具は初めて使うので、どのような感じで塗れるのかさっぱりわかりませんが、とりあえず養生テープをラインの両サイドに貼り塗ってみました。水彩絵の具よりベタついた感じはしますが、塗り心地はそんなに変わりない感じで塗れました。またドライヤーを使うと数分で触れるくらいまでは乾きました。
ラインの両サイドはもう少し綺麗に塗る必要がありそうです。アクリル絵の具だと縫い目も残され、少し光沢も出て合成皮革(補修用)や合成皮革に似た布に比べるといい感じかもしれません。また、乾いても硬くならず、今の所折ったり曲げたりしてもひび割れや剥がれはありません。しかし、塗ってある感じがでてしまうのが難点です。(塗り方が下手なのかな?)
(1)(2)(3)を試してみてわかったことは、傷んだ合皮部分はかなり綺麗にしないと、貼ったシールが浮いたり、絵の具を塗るときに妨げになってしまうことです(うすうす感じてはいましたが面倒なことが嫌いなもので(汗))。ということで
(4)傷んだ合皮部分をもっと綺麗にする
剥がした部分をもう少し綺麗にしてユーズドっぽくそのまま・・・もう少し綺麗にしてみましたがユーズドというよりは、ボロ着に見えてしまうのでこれはちょっと(汗)。と上に書きましたがその段階よりも更に綺麗にしてみます。ブラシを買ったので使って綺麗にしてみました。
すると、こんな感じになりました。結構手間がかかりましたが、どうやら何もしない方がいいかもしれません。全体の見た目もこの状態が一番自然な感じがしました。買った補修用品は使わなくなってしまいますが、とりあえず今回は使用しません。
リメイク?後・・・
今回はリメイクという結論に達しませんでした。しかし、合成皮革・合成皮革補修用テープ・貼れる布テープ・アクリル絵の具などについて色々知ることができましたので、これからの生活に役立てれば嬉しいです。
合成皮革補修用テープや合成皮革に似た布テープは、比較的簡単に使用できましたので今後何か補修するときには使用してみようとおもいます。逆にアクリル絵の具は塗装感が出てしまい使用が難しかったです。
合成皮革のバックもボロボロになっていたので、一緒に直そうと思っていましたが、剥がれた合皮部分を剥がすのが大変だったため、直すのはまた今度にしようと思います。
【参考にしたサイト】
●https://matome.naver.jp/odai/2142362273612491101
●http://www.kyowle.co.jp/knowledge/know02.php