素人が革ジャン/ダウンジャケットのファスナー(チャック/ジッパー)の交換・修理の仕方や方法、手順の紹介
革ジャン/ダウンジャケット?
数年~数十年前に少し流行った革のダウンジャケット、当時は茶色や黒色のものがあり、本革でダウンを使用しているためそこそこの値段だったようです。革で風を通さず、ダウンで保温され真冬でも暖かそうです。しかしこのダウンのファスナー(チャック?・ジッパー?)が壊れてしまい使えません。修理屋さんが言うには、ファスナー全てを丸々交換しなくてはならいとのことで修理にかなりの金額がかかるとのこと。
安く直せるのか、見栄えはどうなのか、再度使用することができるのか?ここでは出来るだけ安く素人がファスナー交換?修理?をやってみた手順を紹介いたします。正式・正当な修理方法ではありません。とりあえず着れるようになるを目標にしています。
*私の裁縫レベルはボタン付け程度。学生の時にエプロンを作るキットを使いエプロンを作る授業を受けた程度のレベルです。
ファスナーの部品・名称
ファスナーの名称
①本体 ②引手 ③テープ ④エレメント ⑤ピン ⑥ボックス
ダウンの壊れたファスナーと新しいファスナー
壊れたファスナー
ファスナーのピン部分が取れています。ピン部分をインターネットで探しましたが大きさの種類があり、写真のようにテープ部がほつれているのでくっつくかどうかも分かりません。いらないジャンバーのピン部分を取ろうとしましたが固くて取れませんでした。
革ダウンのファスナー本体を交換するには、革とファスナーのテープ部をつなげている縫い目を取らなくてはなりません。縫い目を取ったとしてもそもそも革を縫える機械はありませんし、手縫いで上手に縫う自信もありません。また、ダウンが出てきてしまう?裏地も一緒に縫わなくてはならないのか?など色々な疑問があり、ファスナーの交換が上手くいきそうに思えませんでした。そこで、ファスナーの上にファスナーを縫い付けてみようと考えました。
チェック1
上の写真の⇒の部分に少し隙間があり、ファスナーのテープ部分も薄く、本当にちょっぴり隙間に挟めそうな感じがしました。
チェック2
また、ファスナーのエレメント部分より内側のテープ部分は左右とも6㎜程度ありミシンで縫うことができそうです。これらのことから、ファスナーの上からファスナーを付けることができるのではないかと思い、挑戦してみようと思います。
チェック3(新しいファスナー)
革ダウンに付いているファスナーの長さを測りましたら58㎝でした。とりあえずファスナーを買おうと探していましたが、探し方が悪いのか?55㎝か60㎝のファスナーしか見つからず(58㎝のファスナーはこのダウン専用に作られた物なのか?)。短いと下地が出てしまうので2㎝長い60㎝の物を買いました(2㎝でしたら取り付け場所からはみ出さない様子だった為)。
エレメントと引手の色が元から付いていたファスナーと違いますが、黒に合うとおもいこの色を購入しました。税込み495円でした(センスには目をつぶってください(汗)。
チェック4
新しいファスナーのテープ部分は薄く、古いファスナーと革ダウンの接続部の隙間に収まりそうです。
チェック5
60cmのファスナーを並べてみましたら、元のファスナーのより少し下にずらすとファスナー上部が元のファスナーと同じ高さになりましたので一応使えそうです。
ファスナーの交換
使用物品
- ファスナー
- 衣服用ボンド
- ハサミ
- マスキングテープ(養生テープを使用)
- ミシン(手縫いでも可)
- 糸(黒)
- マチ針(無かった為安全ピンを使用)
- クリップ(洗濯バサミなど挟めるものなら代用可能です)
- ミシン(手縫いでも可)
修理の手順
1.
新しいファスナーを付けるときに凹凸が邪魔になるため、ファスナーのエレメント部分のみを切り離します(ギザギザの部分)。ファスナーのエレメントは左右両方とも切り離します。【注意】テープ部分は新しいファスナーを取り付ける時に使いますので、エレメント部分のみを切り離しテープ部分は広めに残してください。
ファスナーの素材にもよると思いますが、切るとカスが出ますので絨毯の上などで行わない方がよさそうです。床の上でしたので雑巾ですぐに取れました。またテープ部分にもカスが付いていますので一度拭くと綺麗になります。しかし強くこすると切り口から、テープ部の生地がほつれてきますので注意してください。左右のエレメントを切り離しましたら次の工程に進みます。
2.
古いファスナーのテープ部に衣類用ボンドを付けますので、ボンドが革部に付かないように革部にマスキングテープを貼ります(マスキングテープのかわりに養生テープを使用しましたのでテープの幅が広いですが、この1/3程度の幅でも問題ありません)。あらかじめ両側の革部にマスキングテープを貼ります。
3.
ボンドを付ける前に、古いファスナーのテープ部の上に新しいファスナーを乗せ、ファスナーの取り付け位置を決めてクリップで仮止めします。上手く仮止め出来なければ、クリップを2~3個使用してください(ここでファスナーの固定位置が決まりますので注意してください)。ここからの作業は片側づつ行います。
4.
古いファスナーのテープ部にボンドを付け、新しいファスナーを古いファスナーの上に付けていきます。ボンドを付けながら少しずつクリップを外しマスキングテープで再度固定していきます(写真の赤丸部)。ボンドを付けてもクリップで固定できれば、固定はクリップのままでも問題ありません(私はボンドで滑ったせいかクリップでの固定が難しかったためマスキングテープで固定しました)。
5.
反対側のファスナーの作業に移ります。作業3.4と同様に新しいファスナーをクリップで固定し、次に古いファスナーのテープ部にボンドを付け、新しいファスナーを古いファスナーの上に付けていきます。ボンドを付けながら少しずつクリップを外し今度は安全ピンで再度固定していきます(こちら側はファスナーの上に革が被さるようになっておりマスキングテープでは固定できなかったため)。
6.両側のファスナーをくっつけましたら、ボンドを完全に乾かします。一応24時間待ちました。
7.
くっつきましたら上の写真のようになりました。青⇒が新しいファスナーのテープ部で赤⇒が古いファスナーのテープ部になります。次の作業で赤⇒の古いファスナーのテープ部の上から縫い付けます。
8.ミシン(手編みでも可)を使い先ほど書いた赤⇒部分の古いファスナーのテープ部の上から縫います。両側のファスナーを縫います。縫いはじめと縫い終わりの部分は、ファスナー使用時には負荷がかかりますので何度か往復して縫いました。注)ファスナーを縫う時にダウンの裏地を一緒に縫わないよう注意してください。私は3㎝ほど一緒に縫ってしまい(汗)この3㎝を直すのがとても大変でした。
見にくいですが、⇒の所に縫い目があります。
9.
ファスナーの上部に余った(写真赤丸)テープ部を整えます。飛び出ているテープ部をカットしてボンドを塗り、クリップで固定し乾くのを待ちます。器用な人でしたらこの部分もミシンで縫うのだと思いますが、私は自信が無かったので、変なことにならないようにボンドを使用しました。
ボンドが乾きましたらファスナー取り付け作業終了です。
ファスナー上部と下部の写真です。ボタンを閉めても下部からファスナーははみ出しません。
作業後・・・
作業するにあたって、ファスナーの長さは出来るだけ元のファスナーの長さに近い方がいいと感じました。
今回はファスナーが長かったぶん下部に余りが出来てしまい、縫い付けられなかった部分ができてしまい(赤⇒)、下部のあまり部分は完全に固定できませんでした。
ミシンでファスナーを縫うときは、必ず裏地をファスナーと一緒に縫わないようにしてください。これをほどくには、精神的にも本当に大変でした。
ボンドはたっぷり塗ってください。少しでしたらはみ出たボンドは綺麗に出来ますが、ボンドが塗れなかった部分に再度ボンドを塗るのは大変ですし、生地にたるみが出たりし見た目が悪くなる可能性があります。
新しいファスナーのテープ部の幅をカットして狭くした方が見た目よく出来上がったかもしれません。しかしテープ部をカットしますと、ほつれがでたり、ほつれを直すため厚みが出ることもありそうでしたので、技術のない私には難しいのではなかと考えやめました。また縫っていて思ったのは、幅を狭くすると、ミシンで縫うときにファスナーのエレメント部分が邪魔になる可能性もあります。もし幅を狭くする時は注意してください。
ファスナーを取り換え、元の状態よりは少し見た目が落ちますが、とりあえずダウンは使用できるようになりました。初見でしたらファスナーを変えたことには気づかれにくいです。ジャケットの生地が薄いと上から付けたファスナーが目立ちやすいです。ファスナーの端をいかに隠すかがポイントです。